幸せに生きるコツ〜汎化癖をやめる〜

汎化とは

みなさん「汎化」という言葉をご存知でしょうか?

多分聞きなれない言葉だと思うんですが。

汎化とは、個別の事象から共通点を見つけ、法則を当てはめたり、ひとつにまとめたりする事です。

よくわからないよって人のために例を挙げてみましょう。

「柴犬」、「チワワ」、「ブルドッグ」という個別の事象を「犬」というひとつの事象にまとめることを汎化と言います。

その逆の操作を特化といいます。

図にまとめるとこんな感じ。

僕がこの言葉を知ったのは「オブジェクト指向」という大学の講義でのことでした。つまり、汎化や特化という言葉はITの世界で使われる専門用語なのですが、心理学の世界でも使われる言葉らしいです。

じゃあ、これが幸せに生きるのとどういう関係があるの?と思われる方も多いと思うので、以下で説明していこうと思います。

汎化が可能性をなくす

みなさんこんな経験はありませんか?

「サッカー」が上手なA君に対して、A君は「運動」が得意だと言ったり

「数学」が得意なB君に対して、B君は「勉強」が得意だと言ったり。

逆に

「走る」のが遅いだけなのに、「運動」が苦手だと言ってみたり。

今まで、意識してなかったけど言われてみたらよくやってるわっていう人も多いと思います。

この汎化なんですが、ポジティブな面で使う分には気にする必要はないかなと思うんですが、ネガティブな場面で使うと可能性をどんどん縮めていく危険性があります。

例えば、

体育の授業でサッカーをして、うまくできなかったという経験から、自分は運動が苦手なんだと思い込む。

そして、野球やバスケなどサッカー以外の競技、いわゆる「運動」に取り組まなくなる。

というようなことが起こり得ますね。

もしかすると、この人に野球の才能があったかもしれないのに、「サッカーが苦手」だという経験を「運動が苦手」だと汎化してしまったためにその才能に気づかないかもしれません。

これってすこぐもったいないですよね。

サッカー元日本代表で国民栄誉賞を受賞した澤さんもあんなにサッカーが上手なのにリズム運動やダンスはめちゃくちゃ苦手らしいです。

他の例で考えていきましょう。

汎化についての実験で赤ちゃんが白いネズミに触ろうとすると大きな音が鳴るようにするというものがあり、そこでびっくりした赤ちゃんは白いネズミだけでなく白いウサギも触れなくなり、次第に白いものが触れなくなるそうです。

似たようなもので、

プレゼンのとき、たまたま予想外のことが起きたためにパニックになり失敗してしまったという経験から汎化を起こし、プレゼンがだめだと思い込み、次第に人前に立つのがだめになり対人恐怖症になったり。

など、汎化は無意識のうちに行われるため厄介なものです。

幸せに生きるコツ

ここからは、汎化の癖をやめて幸せに生きるコツを紹介したいと思います。

常に「いま、ここ」を意識し、目の前のことに集中しよう!

僕らに汎化の癖がついてしまっている要因のひとつに日本の教育制度があると思います。

日本の義務教育では、苦手なものをなくし全てを満遍なくできることが重要視されますよね。義務教育における「勉強ができる子」というのは、国語、算数、理科、社会と全て満遍なくできる子であり、そういう子が優等生として扱われます。逆に「理科だけめっちゃ得意で他は全然だめな子」とかは義務教育においては勉強ができない子として扱われます。

幼少期にこの価値観の中で育ったため、汎化の癖がついてしまうのは仕方ないのかなと思います。

もし、だめな方へだめな方へと汎化を起こし可能性を縮めてしまっているのであれば、常に「いま、ここ」に集中するよう努めてください。

「いま、ここ」に集中するとは、過去に起こったこと、これから起こるであろう未来を無にして、今やるべきことに全てを注ぎ込むということです。

過去に起こったことはどれだけ考えても変わりません。未来に起こることはどれだけ考えてもわかりません。だからこそ「いま、ここ」が大事です。

ニーバーの祈りというものをご存知でしょうか?

神よ、

変えることのできるものについて、

それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。

変えることのできないものについては、

それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。

そして、

変えることのできるものと、変えることのできないものとを、

識別する知恵を与えたまえ。


ラインホールド・ニーバー(大木英夫 訳)


過去は変えることができません。現在は変えられます。未来を変えるには現在を変えるしかありません。

だからこそ「いま、ここ」なんです。

「いま、ここ」に集中していれば、自ずと「個別の事象」に目がいくことになります。そして汎化を起こしていれば自然に気づくようになるでしょう。

あなたが今できないとか苦手だと思っていることは、本当に「それ」が苦手ですか?

実は、汎化により苦手だと思い込み、自ら可能性をなくしていっているのかもしれませんよ。


■「いま、ここ」について詳しく知りたい方におすすめ

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