【ネタバレ有り】ブルーピリオド5巻、感想まとめたよ

今回は龍二(ユカちゃん)回でしたね。いやー、今回も共感できて面白かった。

ということで、感想まとめてみました。(ネタバレ注意)

  • 正しさって時として辛いよね
  • 龍二が1次試験でバツを描いたわけ
  • 続きが気になる



正しさって時として辛いよね

画材屋へ向かう途中、久々に龍二と出会う。クラブ?で働いているからだろうか喋り方が女性らしくなっている龍二。

「お前そんな喋り方だっけ?キモいからやめろよ。」という八虎。

その後、龍二が1次試験でバツを描いて帰ったと知った八虎は心配になり電話をかける。

「心配なら会いに来てよ」という龍二に対して、二次試験を3日後に控えた八虎は「今は行けない」という。

そんな八虎に龍二が返した言葉

「君は溺れてる人がいたら救命道具は持ってきても海に飛び込むことはしない」


「裸で泣いてる人がいたら服をかけて話を聞くことはあっても自分も脱ぐことは絶対にない」



「教えてやるよ冷静なんだよ君は


正しいよ


正しいから優秀なのさ


君はいつだって優秀だ


でもさ…っ」



「正しい場所からしか話せないならアタシがお前に話すことは何もないね…っ!!」



引用元:ブルーピリオド第5巻


自分なりの解釈

自分のやりたい道に全力で努力している八虎。自分のやりたいことと周りの期待とのギャップに悩んでいる龍二。そんな龍二から見た八虎は正しさの象徴のようで、本来あるべき道のように見えていたのだろう。

また、性のことで悩んでる龍二が、性を売りにするような場所でバイトしているという現状も自分のなかでは正しくないと思っていたと思う。

そんな状況の中、八虎から言われた「お前そんな喋り方だっけ?キモいからやめろよ。」という言葉は、自分らしくないと感じていた龍二にとって、まさに正論だっただろう。

正論を突きつけられると何も返せなくなる。龍二が言った「正しい場所からしか話せないならアタシがお前に話すことは何もない」という言葉には、似たような経験がある僕はめちゃくちゃ共感できた。



龍二が1次試験でバツを描いたわけ

家で居場所がない龍二にとって、唯一の味方が祖母だった。そんな祖母の期待に応えたいと日本画科を目指す龍二。でも、本当にやりたいことはそこにはない。

そんな中で一次試験の題材は「自画像」。自画像ということは絵の中で自分を表現する必要がある。

八虎が割れた鏡を使って、自分の中の多面性を表現したように。

ただ、龍二にとって日本画に取り組む自分は作られた自分であり、そこに本当の自分はいないと感じていた。

キャンバスに大きく描かれたバツは、「日本画で表現する自画像は自分ではない」という気持ちの表れだったのではないだろうか。



続きが気になる

どんどん酷くなる蕁麻疹に、最後階段で倒れ込む八虎。2次試験当日、この後どうなるのか。続きが早く読みたいっす!!

「ブルーピリオド」とにかくオススメ

今回紹介したい漫画が「ブルーピリオド

この作品は「このマンガがすごい!」の2019年男編の第4位に選ばれている注目作である。

作品のあらすじ

「見た目はDQN。中身は努力家。その名は、矢口八虎(やぐち・やとら)」という新手のコナン君みたいな主人公八虎。努力家という内面からかなんでもできるが、それ故にこれといって打ち込めるものがない八虎があるきっかけから美術の世界にはまり、美大の最難関大学である東京藝術大学を目指すという話である。

この作品のオススメポイントを以下にまとめてみた。

  • 八虎が美術にはまっていく過程が面白い
  • 美術の勉強になる
  • 巻数が少ない

これらのポイントを含め、これからいかに「ブルーピリオド」が面白いかを解説していこうと思う。(*ネタバレにならないよう出来るだけ注意して書くつもりですが、一部ネタバレを含む可能性があります。)

八虎の美術にはまっていく過程が面白い

まず、この記事を見てくれている方全員に言いたい。

「とにかく、第一話をみてくれ!」

第一話にて八虎が美術にはまっていく過程が描かれているのだが、この話がとにかく面白い。

八虎の心理描写や美術に没頭していく様。どこをとっても素晴らしく、また、めちゃくちゃ共感出来る。

ブルーピリオドは作中でさまざまな至言、名言が出てくるのだが、第一話はほかの話に比べて、それらの数が多く、めちゃくちゃ胸を打たれる。そんな中でも、僕がいちばん共感し、胸打たれた言葉を紹介したいと思う。

「好きなものを好きっていうのって
怖いんだな、、、」
ブルーピリオド 第一話

この言葉、僕以外にも共感できる人は多いのではないだろうか?あー思い出して、目頭が熱くなってきた、、、

そういえば、林修先生がテレビで面白い小説の見分け方を紹介していた時に、

「作者は1ページ目に命をかけて書いている。だから1ページ目が面白い小説は面白い。」

ということを言っていた。

ブルーピリオドも1ページ目とは言わないが、第一話にこの作品がいかに面白いかが詰まっていると思う。

美術の勉強になる

美術は才能の世界と思われがちだが、実は構図や技法など勉強することが沢山あるらしく、それらのことを実際の絵や藝大合格者の作品を使って紹介してくれている。ブルーピリオドを読んでいくうちに、美術について詳しくなり、今までは分からなかった美術の楽しみ方がわかるかもしれない。そして、彼氏や彼女、友達などと美術館に行った時に、ドヤ顔で「この絵はこういう構図で~、この絵はこういう技法が使われていて~」と語れば、「何コイツ?」と引かれること請負だ。

巻数が少ない

ブルーピリオドは6/21に5巻が発売されたばかりなので、まだまだ巻数が少なく、すぐに追いつくことができる。時間がないという人も5巻であれば、最新刊まですぐに読み切ることが出来るためオススメだ。(2019.7.02現在)

最後に

第一話は試し読み出来ると思うので、とりあえず第一話を読んでみてほしい。そして、面白いと感じたら、中古ではなく、是非新品を購入して欲しいと思う。